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2023:03:02:11:09:13

品川でバカリズムワールド!5周目突入で、どうなる、「ブラッシュアップライフ」!!

2023.03.02

COLUMN

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あの時、こうしていれば・・・あんなことさえしなければ・・・。反省の上で人生を一からやり直せるなら、次は大成功の人生になるはず。「ブラッシュアップライフ」(日テレ系、日曜22時30分~)は、夢のような設定なのに、やり直す度に厳しさが増していく不思議さを持つドラマ。さすがにバカリズムさんの脚本、一筋縄ではいかない魔力に、今、多くの人がとりこになっています。放送を重ねるごとに反響は爆増。2月に入るとTverの再生数で1位を獲得し、新聞にも次々と記事が掲載されています。

意外にしんどい、やり直し人生

近藤麻美(安藤サクラさん)は、地元の市役所に勤めるごく普通の女性。33歳のある日、交通事故で昇天します。しかし、死後案内所で来世はオオアリクイとして生きるのだと言われ大ショック。理由は「徳が足らなかった」から。もう一度同じ人生をやり直して徳を積めば、その次は人になれるかも、とも。彼女はやり直しを選び、2周目の人生をスタートさせます。生まれたばかりの赤ちゃんから。もちろん、その瞬間から1周目の記憶も備わっています。

頭は大人のままなので、学校の勉強は常に上位。薬剤師になります。同じ保育園に通う園児のパパと保育士との不倫を阻止するなど、徳を積んでいくのですが、またしても33歳で交通事故。今度は魚、ニジョウサバだと言われ、もう一度、近藤麻美をやり直すことに。

3周目の人生は楽勝かと思いきや、油断して学校の成績は落ち、一方で、2周目で行った人助けなどは今回もやらないと徳が減ることになるため、逆に大変。しかも、それ以上の徳も積まなければいけない。それでも頑張った麻美は日本テレビに入社し、東京で独り暮らし。29歳の時には、初めて自分が企画・プロデュースしたドラマが完成。いよいよ初回の放送日、幼なじみと一緒に自宅で見るのを楽しみに帰宅中というところで、またまた交通事故にあってしまいます。それが、品川区にある南大井三・六丁目の交差点でした。

ロケ地を結ぶ十字路だった!

ごく普通の交差点に見えますが、実はここ、品川区のロケ名所を結ぶ十字路なのです。麻美が渡ろうとしていた南北の道は桜新道で、南に250メートル下れば「正直不動産」(NHK、2022年4月~)のロケ地交差点。さらに300メートル下れば、おなじみの「大森ベルポート」。逆に、北へ250メートルのところには、映画版「闇金ウシジマくん」や乃木坂46岩本蓮加さんの個人PVなどが撮影された駄菓子店「菊池商店」があります。2023.1.27のコラム「『ワタサバ』で事件連発の大森ベルポート。『女神の教室』では鰻屋で大もめ。いま大森が騒がしい」でも、詳しくご紹介しています。

この桜新道と交差する東西の道も、名所ぞろい。西の方角を眺めると、200メートル前方に見えるのが桐畑地下道です。サスペンス/ミステリードラマ撮影のメッカ。去年は医療ドラマ「ドクターホワイト」のロケ地にもなり、2022.3.18のコラム「品川ロケで急展開!?『ドクターホワイト』の謎」で取り上げられています。

反対の東方向に300メートル行き、旧東海道に突き当たって右(南)に少し歩けば、そこには「鈴ヶ森刑場遺跡」があります。江戸時代、ここで何人かの有名人が処刑されましたが、八百屋お七もその一人。恋人に会いたい一心で放火をしたともいわれる、悲しい恋の物語がそこにあります。何度も舞台や映画などになっていますが、ドラマでは、前田敦子さんが主演した「あさきゆめみし~八百屋お七異聞」(NHK木曜時代劇、2013年9月~)が印象的でした。

品川でバカリズムワールドが全開

南大井三・六丁目は、3周目人生の終わりというより、4周目始まりの場所。ムラサキウニとして生きることを拒否して歩んだ新たな近藤麻美は、猛勉強の末、国立大学医学部を卒業。研究医として医学界に貢献し、徳を積もうとします。

その4周目の人生で、ドラマは大きく展開。1周目では成績が優秀で近寄り難かった宇野真理(水川あさみさん)と仲良くなりますが、大人になって再会した時、彼女からやり直し人生を見抜かれてしまうのです。実は、彼女もやり直していて、しかも5周目。彼女は、ある飛行機事故を防ぐため、2周目以降に猛勉強してパイロットになっていたのですが、何度も失敗し、やり直していたのでした。

その5周目人生でもまた墜落します。愕然とする麻美、今度は39歳で4周目を閉じます。そして、人間としての来世を拒否し、あえて5周目に突入。

バカリズムワールドが冴えわたる「ブラッシュアップライフ」。今年1月、初回オンエアに先立って、その源泉ドラマとも言えそうなバカリズム脚本ドラマが、同じ日本テレビ系で放送されています。そのドラマでも品川区がロケ地となりました。これについては、また別のコラムで。

品川ウォーキングライター・キタロー
台本業 (テレビ・ラジオ、映像、イベントほか台本ならなんでも)
ギャグ系を中心に雑誌ライター歴もそれなりに長い
得意技は「オタク search」

イラスト:T_T

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