山本橋、かもめ橋、大崎橋……品川区の橋は恋が加速しがち？

恋愛ドラマにロマンチックな夜景はつきもの。ライトアップされた橋の上で主人公や相手役が何気ない話をしながら歩きつつ次第に距離が縮まっていく。橋のたもとで思いを寄せる相手に思い切って電話をかけてみる。こんな夜景と橋にまつわるシーンが思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか？

アクセスが良いためか、品川区の橋もたびたびロケ地として採用されています。
過去にしなロケコラムで紹介した、「こっち向いてよ向井くん」に登場した五反田駅近くの「山本橋」や、「NICE FLIGHT!」の「かもめ橋」も、そんなロケ地の一つ。今回は最新のドラマに採用された、品川区の「大崎橋」「五反田大橋」について紹介します。

この2つの橋が登場するのは、中島健人さん主演の「リビングの松永さん」（フジテレビ系、2024年1月〜）。主人公の松永（中島健人さん）は、仕事はできるが恋に不器用なグラフィックデザイナー。バーテンダー、ネイリストなど性別も職業も異なる個性あふれるメンバーと共にシェアハウスで生活しています。そのシェアハウスに、ある日突然女子高生が「入居したい」と尋ねてきます。その女子高生はシェアハウスのオーナーの姪である美己（髙橋ひかるさん）で、高校2年生。両親が遠方への引っ越しを決めたものの、どうしても転校したくないという思いから卒業までの1年間をこのシェアハウスで過ごせれば、と考えたのでした。

品川区の橋が登場するのは7話です。女子高生の美己に門限を定めるなど、父親のように振る舞う松永さんに対し、密かに恋心を募らせていた美己。子ども扱いされるばかりか、松永さんにはかつて同じシェアハウスに住んでいた恋人がいたと知って落ち込みます。そんな美己を慰めてくれたのが、担任の夏未（若月佑美さん）でした。
7話冒頭、親代わりとして美己の学校の三者面談に参加した松永さんは、夏未を見て驚きます。なんと彼女は、かつてシェアハウスで同居していた恋人だったのです。

なかなか届かない美己の恋心にじれったくなっていたところで、まさかのライバル登場。さらに物語はどんどん展開していきます。久々にシェアハウスを訪れ、松永さんやかつての同居人たちと楽しい時間を過ごした夏未は、帰り道に思わず松永さんに電話をかけます。「会っちゃうとダメだね。自分の中に区切りをつけたのに」というセリフとともに、切ない表情を浮かべる夏未。ああ、まだ松永さんのことを好きなのだ…と視聴者の誰もが気づいたことでしょう。

そんな夏未が電話をかけた場所が、五反田駅にほど近い大崎橋付近でした。川沿いの夜道を歩きながら東急池上線の線路を見上げ、思い立ったようにコートのポケットからスマホを取り出します。メールを途中まで打ったものの、やはり松永さんに電話をかけて、率直な思いを伝えたのでした。 シェアハウスで電話を受けた松永さんの後ろには、何も知らずに無邪気な笑顔を浮かべる美己の姿が。この恋、どうなる⁉︎

テールランプと駅前のビルのネオンが美しい「五反田大橋」

波乱を予感させる7話も終わり、翌週の8話では日付変わって夜のリビングで期末試験の勉強をする美己と、それを見守る松永さんのほほえましい姿がありました。と、そんな和やかなムードも束の間、松永さんにまた電話が。相手はやはり夏未でした。

「この前、電話した時に私酔ってたから」と話す夏未の背後には、JR山手線の線路と「日本橋・桜田門方面」「国道1号」の文字がある道路案内標識が。そう、ここは先日松永さんに電話をかけた大崎橋から200メートルほど離れた、五反田大橋の上でした。大崎橋よりに比べてかなり交通量も多く、行き交うクルマのテールランプも美しく光ります。そんな都会的な夜景の中で、夏未の口から決定的な一言が。 「酔ってたから言ったんじゃないってこと、言っておきたくて」。再会から間もないのに、いきなり切り込んでくる夏未！ やはり夜景と橋は人を大胆にさせるのでしょうか。

対する松永さんは「仕事が落ち着いたら連絡する」といったような、意外とそっけない返事。少し寂しげな表情を浮かべた夏未は、欄干に寄りかかって川を眺めるのでした。そんな恋する夏未の姿を、カメラが少し離れた上空から捉えます。夏未が佇む五反田大橋、その背後には大崎橋、そして池上線の高架線。紛れもなく、しなロケ取材班が見慣れた五反田の夜景でした。

それにしても夏未、五反田周辺に出没しすぎでは？ もしかして五反田に住んでいる？ 実は夏未が電話をかけていた大崎橋も五反田大橋も、五反田駅から数分と近いものの、東急池上線大崎広小路駅も徒歩圏です。大崎広小路周辺には単身者向けマンションも多く、2018年には高架下が新たに整備され、クラフトビールを提供するバーなど、いくつもの飲食店が入る華やかなスポットに生まれ変わっています。電車に一駅乗れば、大型の商店街として知られる「戸越銀座」もある、女性が生活するのにはうってつけのエリアと言えます。

松永さんと美己、そして夏未の三角関係に思いを馳せながら、五反田駅周辺を散歩してみませんか？

ライターK
女性誌やウェブで飲食店、話題のスポットを取材するライター。 会社員時代の職場が品川区にあり、品川に対する土地勘と思い入れがある。

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