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2023:10:27:14:51:11

圧巻、ムロツヨシ流!品川区の公園ロケで見せた
「うちの弁護士は手がかかる」での、人たらし術。

2023.10.27

COLUMN

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独特な秀吉像を大河ドラマで見事に表現したムロツヨシさんが、今度は「うちの弁護士は手がかかる」(フジテレビ系、金9枠)で、圧巻の演技を見せつけています。

蔵前勉(ムロツヨシさん演)は、笠原梨乃(吉瀬美智子さん演)を30年近くも支え、トップ女優へと押し上げた敏腕マネージャー。わがままな梨乃をうまくなだめ、プライベートでのトラブルをそつなく処理し、その一方で、念願の海外進出も決める。おまけに、放送局でパワハラ場面を見かければ、双方に傷がつかないよう巧みに仲裁。外部からの信頼も厚い。

そんな蔵前が、突然、梨乃から解雇を言い渡されます。理由は「あなたの仕事は誰がやっても変わらない」。ショックのあまり電車に飛び込みそうになりますが、ひょんなことから天野杏(平手友梨奈さん演)のパラリーガルをすることに。ところが、彼女もまた梨乃に負けないぐらい厄介な人なのでした。

人の心はこうしてつかむ

弁護士業務をサポートする専門アシスタントであるパラリーガル。初めて聞く言葉に戸惑う蔵前。それに対して、最年少で司法試験に合格した20歳の超エリート新人弁護士の杏。法律の知識はすごいが、コミュニケーションが苦手で、突進力はいつも空回り。そんな〝バディ〟に最初に飛び込んできたのは、パワハラ上司を訴える案件。依頼主は、蔵前もよく知るフリーランスのAP(アシスタントプロデューサー)で、上司は放送局社員のドラマプロデューサーでした。

過去に交換した関係者の名刺を出し、こつこつと電話をしてパワハラの証拠をつかもうとする蔵前。一方、杏はドラマの撮影スタジオに許可なく飛び込み、蔵前の制止を無視して、スタッフに名刺をばらまきますが、すぐにつまみ出されてしまいます。

また失敗か・・・公園のベンチで落ち込む杏。蔵前が買ってきた缶コーヒを断り、「説教なら結構です」と予防線を張る彼女。それに対して、「面白かったですよ。めちゃくちゃでしたけど」と評価の言葉を返す蔵前。非難されると思っていた彼女が驚いていると、スマホが鳴り、ばらまいた名刺を見た人からの連絡が。プロデューサーのパワハラぶりについて聞けることになったのでした。うまくいった!

叱られると思ったのに褒められ、逆にやる気が起きる。そんな人心掌握術を使い、蔵前が人たらしぶりを最初に発揮したそのシーン。ロケ地は品川区の潮風公園でした。

上記画像に映る樹木の下手(向かって左)にベンチが置かれて撮影。なお、「夕暮れに、手をつなぐ」(TBS系、2023年冬ドラマ)でも、ほぼ同じ場所でロケが行われています。詳細は、2023.2.28のコラムで。

ゆりかもめから見えるアレ

ところで、今回ベンチが置かれたあたりから、もう少し右へ視点を向けると、ある建物が見えます。角度を変えると曲線が美しかったりするこの構造物、実は換気塔。お台場の潮風公園から大井埠頭(八潮)まで、首都高と一般道の東京港トンネルが通っていて、その換気を担っているのです。

これ、「日常の絶景」(テレ東ほか、2023年9-10月)に登場しました。大自然ばかりではない、身の回りの絶景を求めて、週末に2人旅をする街歩きドラマ。その第1話で、2人はここへ行きました。ゆりかもめから見えるアレ、何だろう?と思っていた人には、納得の絶景になったことでしょう。テレ東ならではのユニークなドラマ、続編への期待もふくらみます。

「踊る大捜査線」へのオマージュも!

話を「うち弁」に戻します。第1話の中に、蔵前と依頼主のAPが、大好きな「踊る大捜査線」の話題で盛り上がるシーンがありました。そして、別のシーンでは、青島(織田裕二さん演)のトレードマークであるカーキ色のコートも登場。杏のスタジオ無断突入を止めようとした蔵前が着ていました。このしゃれっ気は、ネット上でも話題に。また、終盤近くで、青島が無線を使って話す姿を意識したような、杏の「私からは以上です」というセリフにも笑えました。

さて、このドラマのもう一つの注目は、テーマ曲にザ・ローリング・ストーンズの新曲「アングリー」が使われていること。

怒っている人たちの間に入り、その人心掌握術でうまく収めていく。そんな役柄にぴったりはまっているムロツヨシさん。一見つかみどころがなくても、本当は優しく頼りになる人。秀吉が「人たらし」ならば、ムロさんは究極の「人たらし俳優」と言ってもいいかもしれません。

でも、逆もあるから恐い。人当たりがよく、親切でやさしい。ところが、心の中ではめらめらとアングリ~!

54年ぶりの復活枠ということもあり、今のところ視聴率が飛び抜けているわけではないものの、数字をはるかに凌駕する面白さ。このドラマ、今季ナンバー1の評価を得る可能性もありそうです。目が離せません。

品川ウォーキングライター・キタロー
台本業 (テレビ・ラジオ、映像、ショーなど台本ならなんでも)
ギャグ系を中心に雑誌ライター歴もそれなりに
得意技は「オタク search」

イラスト:T_T

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