品川区にだって、お台場があるのです。そう、お台場の西端にある潮風公園は品川区。ここで、１月からスタートした「夕暮れに、手をつなぐ」（TBS系、火曜日22時）のロケが行われました。恋愛ドラマの第一人者・北川悦吏子さん脚本とあって、今クールで最も注目を集めている連ドラの一つ。その舞台となった当公園は、ドラマや映画の人気ロケスポットであるばかりか、アニメの聖地にもなっています。さらには、Tokyo2020のレガシー地にも。これは行かない手はありません！

夕暮れに手をつなぎたくなる絶景

浅葱空豆（あさぎ・そらまめ：広瀬すずさん）は、九州の片田舎でのびのび育った野生児のような女子。幼なじみの婚約者を追って上京したものの、あっさりとふられて結婚はなきものに。自暴自棄になった彼女が東京で出会ったのは、コンポーザー志望の青年・海野音（永瀬廉さん）。でも、本当はその前に福岡でも出会っていて、音はそれが運命の出会いであると思っています。

九州に帰ることになった空豆ですが、ひょんなことから東京に残って、雪平響子（夏木マリさん）が所有する下宿で暮らすことに。ところがそこは、なんと音が住む下宿でもあったのでした。

第３話では、ニューヨークから帰ってきていた響子の息子・爽介（川上洋平さん）と空豆が、勢いで婚約してしまいます。母親に代わって自分を育ててくれた九州の祖母宅に、エレベーターを設置してあげる300万円が欲しい空豆。ニューヨークで付き合っていた彼女と完全に別れるために、新しい婚約者が必要な爽介。お互い思惑だけで婚約したため、響子に見透かされてすぐに破綻。２人は潮風公園の手すり（マップ①）にもたれながら、自分たちは運命の人でもなんでもなかったことを確認しあうのでした。

海に背を向けて立っていた2人。正面からのツーショットの背景にちらりと見えていたのは、対岸の様子でした。そこにあるのは、日本で最初のコンテナ埠頭である「品川コンテナ埠頭」と世界有数の規模を誇る「大井コンテナ埠頭」。キリンにもたとえられる巨大クレーンが並ぶその壮観さは見事で、とくに潮風公園から見る夕陽はとびきりの絶景。恋人同士じゃなくても、夕暮れに手をつなぎたくなるのです。

アニメの聖地も特定できた！

潮風公園には南北二つのエリアがあり、「夕暮れ」ロケ地は南側。「しおかぜ橋」を渡って北側エリアに行けば、今度はアニメ「神様ドォルズ」（テレ東系、2011年７～9月、U-NEXTほかで配信やレンタル）の聖地に足を踏み入れることになります。

故郷の村を離れ東京の大学へと進学した枸雅匡平（くが・きょうへい）は、大学の同級生で憧れの女子・史場日々乃に告白したいけどできず、悶々とした毎日を送っていました。ところが、ラッキーにも父親と住む彼女の家に同居することに。そこへ匡平の妹・詩緒（うたお）が突如として上京し、やはり同居することになってしまいます。詩緒は村で「隻（せき）」という役職にあり、「案山子」を操ることができるのでした。

案山子といっても田んぼに立っているようなそれとは違い、巨大なこけしに長く垂れた耳をつけたような形状で、雰囲気はロボット。村では「神様の抜け殻」としてまつられる謎の人形ですが、詩織は意識をシンクロさせてそれを動かすことができます。東京でその訓練を積みつつ、毎回起こるトラブルを解決していく少女バトルファンタジー。こちらも、第３話に潮風公園が登場するのです。

ある日、日々乃と詩緒は潮風公園へ。詩緒は、案山子を目前の海に潜らせて訓練をします。海底で自動車を見つけ、それを持ち上げて海面上に姿を現す案山子。その様子を見て驚く人々。その時、２人が立っていたと推定されるのが、マップ②の位置です。手すり越しに見る対岸の景色も描かれていたのですが、実際の景色がこれです。

その後、少し下がって２人は腰掛け、話を続けます。その場所も特定できました。残念ながら今は工事中で立ち入れませんが、ストリートビューで閲覧可能。この階段の横の段差に腰掛けていたのでした。アニメでは、左後方に見える分別ごみ箱もちゃんと描かれていましたね。

五輪レガシーも北側エリアで発見

この北側エリアには、中心に大きな「太陽の広場」（マップ③）があります。実はここ、東京オリンピックでビーチバレーボールの会場となりました。１万２千人が収容できる仮設競技場は既に撤去されて元通りの姿になっていますが、管理棟には銘板が設置され、あの熱い闘いの余韻が漂っています。

品川ウォーキングライター・キタロー
台本業 （テレビ・ラジオ、映像、イベントほか台本ならなんでも）
ギャグ系を中心に雑誌ライター歴もそれなりに長い
得意技は「オタク search」

イラスト：Ｔ_T

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