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2023:09:07:10:19:37

どうなる、ハヤブサ消防団!緊迫の始まりは、品川区の運河から。放火犯は誰?彼、彼女の正体は?

2023.09.07

COLUMN

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待望の池井戸潤原作ドラマ「ハヤブサ消防団」(テレビ朝日系、木曜21時)は、町工場や銀行が舞台ではなく、ハヤブサのごとく駆けつける消防団の活躍劇などでもなく、なんとミステリー作品。岐阜県の山あいにあるハヤブサ(隼)地区に、ミステリー作家・三馬太郎(中村倫也さん)が移り住むところから話はスタートします。

2作目以降パッとしない彼は、父親がハヤブサに遺した古い空き家で心機一転を図ります。ところが、時間がゆったり流れるどころか、家には無断で他人が上がり込み、消防団にも強引に誘われる始末。一方、のどかで平和に見えるこの田舎町では、不審火が続き、放火犯ではないかと噂された青年が謎の死を遂げる。そして、とうとう戦慄を覚えるような事実が発覚するのです。

運命を変えたボードウォーク

太郎の少し前に東京から移住してきた、美しい映像ディレクターの立木彩(川口春奈さん)。太郎は彼女に引かれ、やがて2人は一夜を過ごすことに。その朝のこと、幸せ気分の太郎に東京の出版社から連絡が入り、彩はある新興宗教の元信者なので近づかない方がいいと言われます。その教団は、12人の信者を拷問、殺害する事件を起こし、教祖と幹部の死刑が確定。教団は解散したものの、まだ心が残っている元信者の存在が危険視される集団でした。

(以下、7話までのネタバレあり)

途方に暮れる太郎。彩に正面から過去のことを尋ねると、彼女は素直に信者だったことを認め、経緯を説明しはじめます。その中で出てくるのが、天王洲アイルのボードウォーク1(第一水辺広場)でのロケシーン。彼女は、教団の顧問弁護士・杉森登(浜田信也さん)とこの天王洲運河沿いを歩き、角のところにある階段状テラスを上がります。そして、杉森から、彼女の運命を変える誘いを受けるのです。
「教団が検討しているプロモーションビデオの制作に興味は?」

あの場所での撮影には理由があった

彩は、ドラマの監督・脚本に憧れ、制作会社に入社。バラエティー番組のADをしながらドラマの脚本も執筆。それがテレビ局で認められ、連ドラが決まります。ところが、知名度不足を口実に、その制作会社の社長で、監督・脚本家の浅野ヤスノリ(久保田悠来さん)が書いたことにされてしまう。ドラマは評判になり、浅野は出演者たちの前で彩をアゴでこき使い、揚げ句の果てに、今後もゴーストライターをしろとまで言い出しました。

そんな時、高校時代の友人に紹介されたのが弁護士の杉森でした。彩が杉森と会社に出向くと、会社側は渋々ながら未払いの給料とボーナスの支払いに応じます。彩と杉森が天王洲アイルを歩いたのは、その帰り道のこと。そこで示されたプロモーションビデオ制作のチャンスは、彩にとって、お金以上の価値があったに違いありません。

彩が作ったビデオは教祖や信者に絶賛され、彼女は入信して教団の広報担当となりますが、くだんの事件が起きたため教団を離れ、今は無関係だと太郎は聞かされます。安心した彼は、彩と正式に交際をスタート。

ところで、彼女が書いた連ドラのタイトルは「ループ~きのうの明日」。そして、彼女が作った教団のビデオも、車座になった信者たちを上から撮影したループ映像がキービジュアル。さらに、天王洲アイルの階段状テラスの上で2人が話をするシーンには、真下からのショットがあり、こんな感じ。彩と杉森は、12本の街灯ループの内側にしっかり入っていたのです。

教団の教義には「円環構造の内部に1度でも与した者は、生涯、同じ和の中に生きる同志と見なされる」とあり、不気味映像になっていました。

どうなるハヤブサ、大胆予想!

ハヤブサ地区に出入りする〝よそ者〟には、もう1人、太陽光発電企業の営業・真鍋明光(古川雄大さん)がいます。一見、好人物っぽいものの、太郎は彼が放火に絡んでいると睨んでいました。火事の被害にあった3人がやむを得ず手放した土地は、すべて真鍋の会社が買い上げていたからです。もっと土地を得て、太陽光発電地帯にするつもりかも。さらに、それをハヤブサ消防団の誰かが手伝っている証拠もつかんでいました。

研修名目で消防団員が上京した際、彼はその内の1人、徳田省吾(岡部たかしさん)を問い詰めます。徳田ははぐらかし、ハヤブサに帰ったら話すと言って去りました。そして、動画配信チャンネルに謎の言葉を残して、自らの命を絶ってしまったのです。
「これからはええことばっかりや。オレらにも、ハヤブサにも。明るい未来が待っとるんや」

悲しみに沈んでハヤブサに戻った太郎と団員たち。するとそこには信じられない光景が。普段、誰もいない町に溢れかえる若者たち。教団の元信者たちのようにも見える。まさか、町が乗っ取られてしまう?

ハヤブサの行く末も心配だけれど、池井戸作品だけに、最後にスカッと百倍返しも期待したいところ。できれば、彩が書いた脚本を自分のものにしてしまった浅野ヤスノリに、超惨めな結末があらんことを!

*第5話では、天王洲アイルの他、彩がバラエティー番組のスタッフとして働いているシーンが、品川区の新馬場商店街(北馬場参道通り商店街)で撮影されました

品川ウォーキングライター・キタロー
台本業 (テレビ・ラジオ、映像、ショーなど台本ならなんでも)
ギャグ系を中心に雑誌ライター歴もそれなりに
得意技は「オタク search」

イラスト:T_T

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