店内の雰囲気が監督のイメージにぴったりだった
「吉高由里子さんが出れば大ヒットする」。少し前からテレビ業界ではそうささやかれていました。放送中の「星降る夜に(2023年1月〜、テレビ朝日系)」も、北村匠海さん演じる年下の恋人との甘いラブストーリーに、ときめく女性が続出しています。以前このコラムでも、2人が訪れた居酒屋として「一龍 屋台村」を紹介しました。屋台村がまた出るかも……と期待してしなロケスタッフ一同、放送を楽しみにしていたところ、なんと4話に天王洲のレストランが登場していたのです。
そのレストランは、天王洲アイル駅から徒歩5分、新東海橋を渡った橋のたもとにあります。地中海をイメージしたレストラン「キャプテンズワーフ」は、天井高の広々とした空間と、青と白のインテリアが爽やかな印象のお店です。運河沿いの遊歩道に面しており、晴れた日中には外の様子を、夜には桟橋のライトアップを眺めながら食事が楽しめます。
「『インターネットで写真を探したところ、内装がイメージにぴったりなのでロケで使いたい』という問い合わせがあった」と、レストランを運営するジール撮影事業部の齋藤貴之さんは話します。ドラマ上の設定は「ギリシャ料理店」でしたが、地中海を意識したロケハンに何度か訪れたのち、正式決定したそうですが、撮影時はテーブルクロスと料理だけ持ち込みで、食器などはすべて店舗から提供しました。
「当初、ドラマで使われるのは1分程度だと聞いていました。それが蓋を開けてみれば、2〜3分も使われていた。監督が当日このお店を見て、海をイメージしたインテリアをとても気に入ってくれたとのこと。そこで店舗奥から厨房カウンターに向けてのカットを追加してくれたようです。」
そのシーンを見ると、厨房カウンター上にある「Captain's Wharf」のサインがばっちり映り込んでいます。「店名が映っていたことで、放送後からすぐに数十件の問い合わせがありました。ドラマと同じ席に座りたいというお客さんもたくさん来店しています」と齋藤さんは話します。
吉高さん北村さんが座っていた席
ロケ地決定の決め手となった「窓」
ところで、キャプテンズワーフが登場した回の鍵となったシーンを覚えていますか? 手話を頑張りすぎている鈴(吉高さん)を見て、一星(北村さん)が曇った窓ガラスに「STAY」と書くこのシーン。焦らないでゆっくり、という一星の思いが詰まった、重要な場面でした。
実は、この窓ガラスこそ、キャプテンズワーフがロケ地に選ばれた決め手だというのです。齋藤さんによると、当初ロケ地候補は他にもあったのだとか。でも、この曇りガラスの演出を入れることを考えた際、窓の外の風景などを考慮して、キャプテンズワーフに最終決定したのです。
撮影が行われたのは、まだ寒い1月の早朝。外の気温が低く、室内が温かければ自然と窓は曇ります。でも、それだけでは足りないので、なんと窓の外にお湯を沸かしたケトルを並べて人工的に曇りを作り出したそう。「本当にできるのかと心配していましたが、見事に成功して感動しました。美術スタッフが用意したケトルだけでは足りず、最終的にはうちのケトルも総動員しました」と齋藤さんは笑顔で教えてくれました。
あの重要なシーンにこんな裏話があったなんて。ぜひもう一度見返したくなります。ロケに立ち会った齋藤さんによると、撮影は終始和やかなムードで進んだといいます。撮影待ちも2人はよく会話していたそうですが、少しシャイな感じの北村さんに天真爛漫に接する吉高由里子さんを、スタッフ一同が見守っていたとか。なんだかイメージ通りですよね?
ところでこちらのお店は、10年ほど前に上地雄輔さんのPVにも登場しています。今もなお、店舗を訪れる上地さんファンが絶えないそうです。
また、品川区を舞台とした、東京23区内初の"オリジナルTwitterドラマ"「はつ恋とビー玉 ~10の約束~」(出演:越智ゆらの、小南光司)にも登場しているので、ぜひチェックしてください!
季節限定のパスタで、心まで華やかに
インテリアに注目が集まりがちですが、もちろんお料理もおいしいんです。特に人気なのがパスタ。常時3種類用意している中でも、季節ごとに変わる「旅するパスタシリーズ」を求めてメニュー変更をチェックしているお客さんも多いようです。
しなロケ取材班がいただいたのは、春の新メニュー「北海あさりと桜えびのクリームソース 桜を練り込んだタリアテッレで」(税込み1900円)。北海道産の食材をテーマに、あさり、桜えび、アスパラを贅沢に使った一品です。注目したいのは、この見た目の華やかさ。優しいピンク色に心まで春モードになります。一口食べると、桜の香りと魚介のさわやかな香りとクリームソースのまろやかさが広がります。しっかりとした歯応えのみずみずしいアスパラなど、食材選びも光ります。クリームソースはちょっと重たいのでは?と思う人ほど食べてほしいメニューです。お花見期間限定のテイクアウトメニューも用意しているので、散歩の途中で受け取って、公園で桜を見ながら楽しむのもいいですね。
平日ランチは近隣で働く人も多いそうですが、休日や夜の時間帯は近くに住む人が訪れてゆったりとした食事の時間を楽しんでいるとのこと。ここでしなロケ取材班が注目したのが、メニューにあった「アフタヌーンティ」の文字。ケーキセットではなく、レストランでアフタヌーンティ? 珍しくないですか?
「製菓が得意なシェフがいるため、本格的なアフタヌーンティを提供しているのがこのお店の売り。ランチが終わってからディナータイムの間まで提供しているので、遠方からもここのスイーツを目当てに訪れてくれる人がいるんですよ」とキャプテンズワーフの広報を担当する米澤知紗さん。
店内で作り上げたスイーツは、目にも鮮やかで、本格的な味わい! ホテルのようなかしこまった場ではなく、ちょっとリラックスした場所でしっかりしたアフタヌーンティを楽しみたい。そんな人におすすめです。
お腹いっぱいになって窓の外に目をやると、停泊している小型船が気になりました。どうやらこのレストランを運営するジールさんの所有のよう。「あの船も、ドラマの撮影でよく使われているんですよ」と、齋藤さん。聞いてみると、あのドラマやあのCMに使われていると分かってびっくり。
次回はジールさんの「運河船」で行われたドラマ撮影の秘話について紹介します。
ライターK
女性誌やウェブで飲食店、話題のスポットを取材するライター。 会社員時代の職場が品川区にあり、品川に対する土地勘と思い入れがある。
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