トヨエツの電撃登場に驚愕！「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」（日本テレビ系列、1-3月）は、小説家の碧（菅野美穂さん）と大学生の空（浜辺美波さん）の母娘が織りなす、コミカルなドラマ。天然な母、オタクな娘。どちらもマイペースに生きながら、最後は落ち着くところに落ち着くのかなと思いきや、急転直下、仲良しなこの2人に血縁関係のないことが発覚し、それまで碧が決して口にすることのなかった空の父親が明らかに。元俳優の一ノ瀬風雅。それを演じるのが、第7話の終盤からいきなり出てきた豊川悦司さん。

ドラマはここから最終回に向かってシリアスな雰囲気に方向転換？との予感は見事に外れます。ある日、地元の「すずらん商店街」を歩く碧に向かって、「水無瀬～！碧さ～ん！」と大声で何度も叫ぶ男が。見上げれば、「おもちゃのオオバヤシ」の上にある、昭和な青春アパートのような窓に腰掛けているのは風雅。いきなりの、2階からトヨエツ！恥ずかしいので駆け上がり、一体、なんの目的で南の島から東京まで自分たちを追いかけてきたのかと詰問する碧に対し、風雅は答えをはぐらかすばかり。
NHK朝ドラ「半分、青い。」以来の脚本家・北川悦吏子さんと豊川悦司さんのコラボ。相変わらずエキセントリックな中年男子に引きつけられます。

あれ？　前回は「半分、青い。」、今回は「水無瀬碧」。
本当は水無瀬を「みんな」と読ませたかったのかも。ちょっと無理があるか・・・

それはさておき、この建物、実は京急・北品川駅近くの旧東海道にあるのです。

つまり、品川区でロケされたのでした。ご近所の方によれば、窓から顔を出して覗くと叱られるかもと耳だけ澄ましていると、大きな声で名前を呼ぶなど演技者の声がよく聞こえてきたとのこと。でも、飛行機の音で中断したり、夕方5時に「夕焼小焼」が流れきたかと思うと、今度は緊急事態宣言の放送があったりと、撮影にはいろいろ苦労もあったようです。

ドラマの撮影風景（しながわ観光協会　提供）

2階窓からの風景に関する秘話

この建物、1階は今は使われていませんが、豊川悦司さんが叫んでいた2階は、畳敷きの小さなカフェなのです。

もちもちの玄米と季節の野菜＆魚で、体に優しいご飯を提供している「クロモンカフェ」。名物オーナーのキャラも注目で、最近は取材される機会も増えているようです。また、クロモンこども食堂を頻繁に開催したり、2011年の震災時には帰宅困難者に無料でおにぎりなどを提供したりと、そちらの方面でもご活躍。感謝、感謝です。

このあたりの旧東海道は、江戸時代と同じ道幅で整備されていて、街歩きが超人気。宿場町の名残が感じられる建物や下町の人情が漂う雰囲気は、訪れた人を何度も引きつける力を持っています。昔ながらの食堂や飲み屋さんに混じって、お洒落なスポットもあったりするのが品川っぽい。
歴史的名作映画「幕末太陽傳」（1957年公開、2012年デジタルリマスター版公開）は、幕末のこのあたりが舞台。もちろん、ロケも行われましたが、クロモンカフェのオーナーが日活関係者に確認したところ、現在カフェになっている2階から撮影されたシーンもあるのだそうです。予告編を見ただけでも分かりますが、当時のスターが続々と登場している映画なんですね。

碧と空の住まいも品川だった！

一方、碧と空が住んでいる広々としたタワーマンション「エンゼルフォレストタワー」ですが、毎回のようにその外観が出てきます。実はあれ、品川区にある有名なタワマン「ラグナタワー品川」です。

このタワマンは東品川海上公園に隣接していて、第6話では、タワマンの玄関前から階段でつながる公園内通路もロケ地に。

また、前クールのドラマ「この恋あたためますか」では、東品川公園でのロケシーンにもバックにその夜景が輝いていました。2020年12月8日のコラムにも、画像＆イラストが載っています。

ただし、タワマンも畳カフェも、部屋の中のシーンはスタジオなど別の場所で撮影されたようですが。

昔ながらの旧街道の趣のある畳カフェと、最先端のタワーマンション。品川らしい二つの顔を楽しむ散策、お勧めです。

東品川海上公園

品川ウォーキングライター・キタロー
台本業 （テレビ・ラジオ、映像、ショーなど台本ならなんでも）
ギャグ系を中心に雑誌ライター歴もそれなりに
得意技は「オタク search」

イラスト：Ｔ_T

＃ロケ地　＃撮影　＃ウチの娘は、彼氏が出来ない!!　＃ウチカレ　＃菅野美穂　＃浜辺美波　＃豊川悦司　＃品川　＃今日　＃クロモンカフェ　＃ラグナタワー