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2023:11:17:10:15:52

武蔵小山のイタリアンに「ワカコ酒」
絶品牛肉料理に「ぷしゅー」

2023.11.17

COLUMN

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秋の夜長に極上のワインとイタリアのご馳走を堪能できる、隠れ家的な名店「レオンビアンコ」が品川区・武蔵小山にあることを教えてくれたのは、2015年からBSジャパンで放送が開始し、今年Season7を記録するテレビドラマ『ワカコ酒』(主演:武田梨奈)だ。酒好きのワカコが夜な夜な訪れる実在の飲食店を舞台に、実際の店員さんが出演してお酒やお料理を説明してくれ、さらにエンディングではお店情報も丁寧に紹介してくれる人気番組である。

お店に一歩足を踏み入れれば、そこは北イタリア。隅々まで丁寧に飾られた店内は、どの席に座っても落ち着ける温かな雰囲気だ。

オーナーである石渡彩恵さんが、4代目夫妻の息子であるステファノ・ルシアニさんと出会ったのは10年以上前。当時目黒のアイリッシュ・バーでバーテンダーをしていたステファノさんから、実家の歴史あるレストランが閉店したことを聞き、新しくオープンする店にその名を譲り受けたいと申し出た。フリウリは白ワインの名産地で、10年前の創業時は、独自のルートでいくつかのワイナリーと提携し、日本には未輸入だったフリウリ州にある小さなワイナリーの白ワインを提供できるレストランとして地元の人を中心に愛された。コロナ禍を経て現在は、独自輸入のフリウリ産白ワインの提供はないが、ドラマでも紹介されたグラスワインのセルフサービスを導入して、世界各国の美味しいワインを少しでも多くの人に味わってほしいという石渡さんの熱意と工夫が伝わってくる。

『ワカコ酒』Season7第4夜。オフィスの昼休みにワカコは、所属する部署のオカダ主任から〝タリアータ″という謎のご馳走を教えてもらう。「赤ワインがよく合って、もう絶品!」と聞いたワカコはその名前が頭から離れなくなる。帰宅時、たまたま目にしたイタリアンレストランの看板で〝牛肉のタリアータ″の文字を目にしたワカコは迷わず店に飛び込んだ。

舞台となった「レオンビアンコ」でワカコが食したイタリアのご馳走〝タリアータ”は牛肉をシンプルな味付けでいただくスタミナ料理。とにかく赤ワインに合う。他にも、香草の効いたソースにカッテージチーズが絡まって絶妙な味わいの〝牛スネラグーのボロネーゼ リガトーニ″や、柔らかく頬でとろける〝牛タンシチュー″などご馳走がずらり。ワイン・バーは1コイン650円。6枚セットで3250円。最初から6枚セットを頼んでおくほうがお得なくらい、ワインが欲しくなってしまう。赤、白ともに6種類のワインが用意されていて、味や香りについても詳しく説明されている。ランチや土日はかなり混みあうが、平日の夜は比較的利用しやすいとか。

「ドラマや番組のロケに利用していただいたことで来店してくださるお客様も増えましたし、従業員の刺激にもなり、良いこと尽くしなんです」と石渡さんは言う。
『ワカコ酒』の撮影日は忘れもしない3月22日、WBCの決勝の日。6時30分からスタッフの方々が現地入りして、終わったのは17時頃だったが、試合が気になって仕方なく、お昼休憩の際にみんなスマホに注目でWBCの試合を追っていた、と笑う。

「撮影時はエキストラの方々は演技をしている風には見えませんでしたが、実際の放映を見て、皆さん自然に演技をしていたんだなぁと後から感銘を受けました。大学時代に映画研究会の自主映画で演技はしていたものの、いざドラマの店員役で出演させてもらうと、セリフも覚えられず、カチコチで演ずるって難しいと改めて感じました。ちなみにスタッフの監督さん達が、映画研究会のメンバーの一人と一緒に映画の仕事をしていた方々で驚きました。役者の方々もスタッフの方々もプロフェッショナルで、お店を素敵に撮っていただけて大満足でした」と石渡さん。
どこから切り取っても味のある店内は、これからも様々な物語に登場しそうな予感だ。

石渡さんとステファノさんは今では人生のパートナーとして、共に美味しいお酒と料理を堪能できる時間と空間を提供し続けている。イタリアで惜しまれながら100年の歴史に幕を閉じた名店が、日本の武蔵小山で再び息を吹き返すなんて、代々のルシアニ一家は想像もつかなかっただろう。二人の友人でブラジル出身のデザイナーが、オープン当初、表の壁に脚立に上り、手書きで描いてくれた大きな看板のライオンは、今も店のシンボルとして廂の上で道行く人々を見下ろしている。

結城とうま

イラスト:T_T

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