4~6月期に日本テレビ系列で放送された「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」は、警察官僚の小比類巻祐一(ディーン・フジオカさん演)が科学犯罪対策室を創設し、これまでの考え方では不思議で不可解としか思えない事件に挑んでいくドラマ。人間の欲望追求のためなら若返りウイルスやクローンでの移植ドナーづくりなど、禁断の科学技術をも駆使する巨悪と対決していく。
タイトルからはバリ科学捜査ミステリーというイメージを抱きがちですが、実は妻子を心から愛する小比類巻による家族愛のお話でもあります。頭脳明晰にして沈着冷静、強くて優しい主役を演じ、ラップが印象的な主題歌「Apple」も自ら手がけるという、まさに〝ディーン・フジオカ・ドラマ〟。7月からは動画サイトhuluでseason2(全6話)とともに配信も始まっています。
品川区ロケ、3連発!
小比類巻が愛する妻子。妻の亜美(本仮屋ユイカさん演)は、幼い一粒種を残し5年前に他界。その死が受け入れられない小比類巻は、遺体を冷凍保存して将来の僅かな可能性にかけ、娘の星来(せら)は、ママは眠ったままでまだ目を覚まさないと信じている。第4話では、そんな父娘が手をつないで自宅へと帰るシーンがありました。静かな住宅街に建つ瀟洒なマンション前の坂道を歩く2人。そのロケ地は、品川区の八ツ山かいわいでした(マップ①)。
その星来に危機が訪れたのは第8話。彼女はあらゆるウイルスに対し強い免疫力を発揮する「エルマー遺伝子」を持っている希少な存在であることが分かり、ある人物から狙われることに。危険を察知した小比類巻は保育園に連絡、散歩に出かけたという公園に急行するものの、タッチの差で連れ去られてしまいます。ロケが行われたのは、品川区立東八ツ山公園、そして誘拐車が逃げて去った楽水橋交差点(旧海岸通り)でした(マップ②)。
さらに、最終10話。まもなく生まれる娘について小比類巻と亜美が幸せいっぱいに将来を語り合う場面は、おなじみの大森ベルポート・アトリウムでの撮影(マップ③)。最後に品川区テッパンのロケ地登場で締めくくりとなりました。
ディーンパパの自宅があるまち
このドラマ、刑事ものとはいえ小比類巻の自宅が舞台となっている率が高く、印象としては捜査室よりも多い感じ。庭には広いウッドデッキがあり、ブドウ棚からもれ注ぐ陽光を受けたテーブルでは、いつも仲間たちが集ってワインを飲み美味しいものを食べている。捜査のアドバイザーを頼まれた天才科学者・最上友紀子(岸井ゆきのさん演)に至っては、いつのまにか住み着いていて、娘の星来や亜美の養母もみんなに囲まれて幸せそう。そんな素敵な自宅があるのは、4話のシーンから、城南五山の一つである八ツ山エリアだと思われます。
城南五山は品川区城南地区にある高台5ヵ所の総称で、それぞれに大名屋敷や大名出身の邸宅がありました。明治期に入ると、財閥や実業家の邸宅へと引き継がれ、誰しもが憧れる閑静住宅街に。〝ディーンパパの自宅〟がある八ツ山は城南五山の東エリアで、ソニー通り(八ツ山通り)をはさんで南側には御殿山(2020年1月21日のコラムで紹介)があります。都会とは思えない静かな場所も多く、天気のいい日にゆっくり散策すれば、思わずディーン・フジオカさんの家はどこ?と探したくもなるのです。
ええっと驚くスポットが!
八ツ山を南に下ってソニー通りに出ると、あるビルの植え込みに「ソニー創業の碑」が建っています。そのビル1階にあるのが、知る人ぞ知る「スカイアートジャパン」。世界に20台ほどしかないボーイング777のプロ仕様シミュレーターで、なんと操縦体験ができるという施設。テレビやCMの撮影場所としても知られています。
一方、ソニー通りの南側やや五反田寄りにあるのが「容器文化ミュージアム」。こちらもお勧めスポットです。
身近な容器包装について、製造方法や歴史、最先端情報などを展示や映像、クイズやゲームで知ることができるのがここ。知らなかった驚きの情報も満載です。入場料無料、ぜひお立ち寄りを。
品川ウォーキングライター・キタロー
台本業 (テレビ・ラジオ、映像、ショーなど台本ならなんでも)
ギャグ系を中心に雑誌ライター歴もそれなりに
得意技は「オタク search」
イラスト:T_T
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