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2020:01:21:15:25:14

緊急コラム 「品川猿」のその後が判明! 今度は御殿山

2020.01.21

COLUMN

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村上春樹さんの短編小説「品川猿の告白」が、文学界2月号(1月7日発売)で発表されました。2005年に発表された「品川猿」の続編、ハルキスト待望の新作です。
前作「品川猿」は、ある女性がときどき自分の名前を思い出せなくなるようになり、その原因が品川区役所に捕獲されている猿だったというストーリー。当コラムでは、猿がいるとしたらどのあたりだろうかなどと想像をめぐらせつつ、小説の舞台となった品川区役所を探索し、その様子を2018年3月20日付コラムで紹介しています。

それから品川猿はどうなったか。村上さん自身が気になって書き上げたという「品川猿の告白」。舞台は群馬県にあるひなびた温泉旅館で、そこで働く品川猿が1人の泊まり客に自分の身の上話をするという展開ですが、その語りのなかで品川区のある地名が出てきます。それは御殿山。御殿山は北品川3~5丁目あたりの一部を示す俗称で、江戸時代には徳川将軍家の別邸「品川御殿」が存在し、それが名の由来となりました。場所は、現在の東京マリオットホテル付近と推定され、三代将軍家光は茶会や鷹狩りの休憩、幕府の重要行事などで200回近くも来ているそうです。

将軍が愛した御殿山に行ってみたい!そう思ったら、御殿山通りの散策から始めるのがいいかも。京急北品川駅近くにある品川女子学院南側の道が、御殿山通りです。第一京浜から入って西へ歩きましょう。JRの線路を跨ぐ橋を渡ったあたりから、左右に街路樹が並ぶ坂道となって、それはそれはいい雰囲気に。
左にはミャンマー大使館、右側には東京マリオットホテルがある御殿山トラストシティがあり、別世界に入ったかのようです。このあたり、春の桜が実に見事で、しながわ百景にも選ばれています。

御殿山トラストシティは、ホテルのほか、オフィス、レジデンス、庭園からなる複合施設で、とくに昔ながらの面影を伝える日本庭園の「御殿山庭園」は、桜はもちろん、四季折々の表情を見せる木々や、池、滝などが訪れた人を癒やしてくれる人気スポット。無料で入れます。

ミャンマー大使館を過ぎて少ししたところを左折(南方向)し、100メートルほど歩くと、山手通りへと抜ける下り坂となります。歩道には勾配にあわせて設置された椅子もあって、緑と静けさに名残を惜しみつつ、暫しの休憩を楽しむこともできますよ。

ところで、「品川猿の告白」の終わり近くには、もう一つ品川区内のある地名が出てきます。今作では、前作で謎だった部分が解明されるとともに、その地名に絡んでまた新たな謎が現れます。品川猿のさらなる続編を大いに期待したくなります。

(品川ウォーキングライター・キタロー)