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2021:12:23:10:48:54

V6出演の「学校へ行こう!」で多数登場したロケ地が品川に! 品川エトワール女子高等学校(前編)

2021.12.23

COLUMN

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突然の問い合わせからV6がサプライズ来校

2021年11月、惜しまれつつ解散したアイドルグループ「V6」。1995年のデビュー以来、安定感のあるパフォーマンスでファンを魅了。数々のヒット曲を飛ばしてきました。そんなV6の「隠れた聖地」が、実は品川区にあったのです!なぜ「隠れて」いたのか?それは、その場所が、一般の人がなかなか立ち入ることのできない学校だから。今回はその聖地である品川エトワール女子高等学校(以下、品川エトワール)に伺い、V6の思い出話をたっぷり聞くことができました。

品川エトワールは、JR 京浜東北線・東急大井町線・りんかい線「大井町」駅から徒歩6分、京浜急行線「青物横丁」駅からも徒歩約2分と、2駅4路線が使えるアクセスの良い場所にあります。通りに面した正面玄関をくぐると、光が降り注ぐ明るいエントランスが。ガラス張りで開放感のある空間に、「ここは本当に高校なの?」と驚きます。この校舎は1999年に完成したそう。上履きはなく、靴のまま入れますが、廊下の隅々まで掃除が行き届いてピカピカ。新しい校舎をきれいに使おうという、生徒と先生方の気持ちが伝わります。

V6が品川エトワールを初めて訪れたのは、この校舎が完成した翌年の2000年6月のこと。きっかけは、学校あてにかかってきた1本の電話でした。先日最新作で最終回が放送されて話題になった人気バラエティ番組「学校へ行こう!」(TBS系列、1997年〜)のスタッフが、ロケに使わせてほしいと問い合わせをしてきたのです。電話を取った同校の副校長は「特にそれまで関わりがあったわけではないので、ロケに協力してくれる学校に手当たり次第連絡していたのかも」と当時を振り返ります。

「これまでにも撮影の依頼はありましたが、断っていたんです。でも当時の校長が『その企画はおもしろそうだから、やってみよう』と。それで引き受けたのですが、思ったより大がかりで(笑)。癒し系ミュージシャンが学校に訪れるという企画でしたが、ステージを作って、グラウンドに全校生徒を集めて、ミュージシャンとV6の井ノ原快彦さん、岡田准一さんが登場する。これを全部生徒にサプライズでやりました。生徒たちが大喜びしてくれたのがうれしかったですね」

その後も品川エトワールはたびたび「学校へ行こう!」に登場しています。2002年には「お笑い甲子園」の企画で井ノ原さん、三宅健さんが来校。2003年には「お笑い教師王」の企画で長野博さん、森田剛さんも訪れています。

2007年1月に発売され、当時「学校へ行こう!MAX」のテーマソングにもなったV6のシングル『僕と僕らのあした』のロケ地も品川エトワールですが、なんと現役の生徒たちもエキストラ出演していました。

あえて自主映画風に撮られた粗い映像と、校舎の清々しい雰囲気、そしてV6の優しく柔らかい歌声が見事に調和しています。聖地巡礼、と行きたいところですが、学校施設のため、関係者以外の立ち入りは残念ながらできません。「ぜひ、外からの巡礼を」と副校長は話します。

ハリーポッターがグラウンドにリムジンで乗りつけた

そして2007年7月、V6とともに、とある大物ゲストが品川エトワールを訪れます。その大物とは、人気映画『ハリー・ポッター』シリーズの主演、ダニエル・ラドクリフくん!当時17歳だったラドクリフくんは、これが世界初のバラエティ出演という記念すべき回だったそう。幼少期から仕事で忙しく、あまり学校に通えなかったラドクリフくんのため、“転校生”という設定で長野さん、坂本昌行さんとともに品川エトワールにやってきました。副校長いわく、この撮影には2つの大きな苦労があったとか。

まず一つ目は、サプライズであること。これはほかの「学校へ行こう!」ロケにも共通していたことですが、生徒たちに新鮮に驚いてもらうため、ロケの内容はおろか、ロケがあることすら絶対に秘密です。でも、せっかくハリー・ポッターが来てくれるのだからと、生徒によるサプライズの手品を仕込むことに。「一部の口が堅い生徒だけを集めて、こっそり手品の練習をさせました。SNSがない時代だったからできたことかもしれません」と副校長は笑います。結果、見事にサプライズは成功。ラドクリフくんも大喜びしてくれたとのこと。

そしてもう一つ大変だったのが、ラドクリフくんの登場シーンです。大物スターがやってくるという演出のため、グラウンドにリムジンで乗りつけたいというリクエストがTBS側からあったそう。グラウンドは人工芝で、基本的にクルマの乗り入れはNG。でも「せっかく来てくれるのだから、精一杯盛り上げたい」という学校側の思いで、通常は併設幼稚園の送迎バスを停めるために使っている出入り口を開放。そこからリムジンが乗り入れられるよう、手配したそうです。生徒のため、視聴者のため、V6とラドクリフくんのためとはいえ、学校がそこまで協力したとは驚きです。でも、努力のかいがあって収録は大盛り上がり。ハリウッドの大スターと人気アイドルに会えた喜びで、泣き出す生徒もいたそう。

このグラウンドにラドクリフくんとV6が!

苦労話もたくさんありましたが、副校長にとって忘れられないのがV6のメンバーの人柄だそう。

「ロケでメンバー全員が来てくれましたが、全員から『子どもたちを喜ばせたい』『元気を与えたい』という気持ちが伝わってきました。カメラが回っていないところでも常に笑顔で、誰にでも丁寧に接してくれる。私にとっても『学校へ行こう!』が最終回を迎えたこと、そしてV6が解散したことはとても感慨深いです」

目立ちにくく、“映える”グラウンド

偶然かかってきたテレビ局からの電話と、それをきっかけに生まれた品川エトワールとV6の絆。ですが、ロケがたびたび重ねられたのは、単なる偶然だけではなかったようです。

外せないのが品川エトワールの立地。校舎は仙台坂(池上通り)という通りに面していますが、坂を少し下ると、すぐに都心から横浜方面を結ぶ国道15号(第一京浜)につながります。仙台坂は車道も広いので機材車も通行しやすく、さらに歩道も整備されて広々としています。通用口からスロープを下るとすぐにエレベーターがあって機材を校舎内に運び入れるのも容易なのは、ロケ隊にとって嬉しいところ。

また、サプライズ撮影に使われたグラウンドの立地にも特徴が。人工芝の緑が美しいこのグラウンドは、通り沿いからは校舎を挟んでちょうど反対側、さらに一段下がった場所にあるため、表からグラウンドの様子は全く見えません。そのため、野次馬なども集まりにくいのです。「学校へ行こう!」の撮影が平日の日中に行われたのも、目立ちにくく“映える”グラウンドをスタッフが気に入ったのかもしれません。

忘れてはならないのは、ロケ隊からのリクエストを快く受け入れる副校長を始めとした学校側の印象の良さ。この学校側の対応が業界のクチコミで広まったのか、2000年以降に次々とロケの依頼が舞い込みます。

そしてここを訪れた人気アイドルたちが続々と売れ始めたことをきっかけに、品川エトワールが「ここで撮影するとビッグになる」と密かに噂されるようになるのです。

後編では、そのアイドル、ミュージシャンのPVを参考しながら、品川エトワールの撮影スポットを紹介していきます。

ライターK
女性誌やウェブで飲食店、話題のスポットを取材するライター。 会社員時代の職場が品川区にあり、品川に対する土地勘と思い入れがある。

イラスト:T_T

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