爆弾をしかけられたシーンのロケ地は、「大森ベルポート」
もし、人であふれるクリスマスの渋谷でテロが起こったら――。2020年12月4日に公開される『サイレント・トーキョー』は、ある爆破事件をきっかけに、次々と予測不能な展開が待ち受けるスリリングなアクションサスペンスです。佐藤浩市さん、西島秀俊さん、石田ゆり子さん、中村倫也さんなど、人気も実力も兼ね備えた俳優が出演するとあって、公開を待ち望んでいる人も多いでしょう。
特に目を引くのは、予告編にも登場する冒頭のある重要なシーン。クリスマスの装飾に彩られた、ガラス張りで明るい印象のアトリウム。ここに爆弾がしかけられたという情報から物語は始まります。このシーンで商業施設として描かれている場所、実はここ、品川区にある複合オフィスビルのエントランスなのです。
このビルはJR京浜東北線・大森駅から徒歩5分ほどの場所にある「大森ベルポート」。「大森駅だから、大田区なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、駅を挟んで東側の一画は品川区。大森ベルポートもちょうどその品川区エリアに位置しています。
「バブルの名残り」がある豪華なオフィスビル
エントランスに足を踏み入れると、すぐそこが『サイレント・トーキョー』のロケ地。A〜Dの4棟からなるオフィスビルの地上40mまでを吹き抜けにした豪華なアトリウムが設けられています。ガラス張りの屋根から差し込む明るい光が、さらにきらびやかな印象を与えます。さらにエスカレーター上に取りつけられた東京、ロンドン、ニューヨークの3地域の時刻を表すモニュメント時計が、どことなく海外の雰囲気を演出しています。画面越しに見ていると、ここがオフィスビルだと気づかない人も多いのでは?
不思議な魅力の秘密は、ベルポートが建てられた年代にありそうです。大森ベルポートが着工したのは1988年。時代はバブル景気の真っ只中。ワンレン、ボディコンなど華やかなファッションが流行し、日本初の全天候型スタジアムである東京ドームもオープンしました。空間や建築材をぜいたくに使ったオフィスビルを思いついたのも、この時代ならではの理由だったかもしれません。
人気ドラマ『MIU404』にも大森ベルポートが登場していた!
ところで、大森ベルポートはその特徴的なデザインを買われて、さまざまなドラマのロケ地として利用されています。柴咲コウさん主演『35歳の少女』の2話では柴咲さん演じる望美が訪れるショッピングモール。そして、今夏に放送された玉木宏さん、高橋一生さん主演『竜の道』1話では空港のシーンにも使用されています。
さらに、『竜の道』に登場する遠藤憲一さん演じる霧島源平が社長を務めるキリシマ急便のオフィス外観も、この大森ベルポート。きらびやかなアトリウムとは対照的に、外観は茶系でまとめられた重厚なつくり。そのためオフィスだけでなく、官公庁の外観としてもロケに使われることがあります。今年一番と言っていいほどの話題を呼んだ、星野源さん、綾野剛さん主演の『MIU404』では、警視庁の外観として大森ベルポートA館の車寄せが使われています。
ビルが持つ特徴に加えて、アクセスの良さも見逃せないところ。電車はもちろん、都心と横浜方面を結ぶ第一京浜や首都高の入り口からも近いのでロケがしやすいという点からも選ばれているようです。『サイレント・トーキョー』を観た帰り道に、ちょっと立ち寄ってみるのもいいかもしれません。
ライターK
女性誌やウェブで飲食店、話題のスポットを取材するライター。
会社員時代の職場が品川区にあり、品川に対する土地勘と思い入れがある。
イラスト:T_T
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