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2024:03:28:10:35:18

「きのう何食べた?」 ケンジがお茶したカフェ「アロハテーブル」

2024.03.28

COLUMN

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ネガティブな話題も明るくしてくれる、南国ムードあふれるカフェ

2019年に放送され、その後も映画化、配信、ソフト化など、大人気を博したドラマ「きのう何食べた?」。満を持して放送された続編「きのう何食べた?season2」(テレビ東京系、2023年10月〜)第8話に、大崎駅近くのカフェ「アロハテーブル」が登場していました。今回はしなロケ取材班がお店を訪問し、放送秘話やおすすめのメニューをたっぷり紹介します。

その前に、第8話のあらすじから。三宅店長(マキタスポーツさん)とその妻で美容院のエステティシャンである玲子さん(奥貫薫さん)が、娘の大学入学を報告するシーンから始まります。「これでひと段落かな」とつぶやく玲子さんに、ざわつく美容院のスタッフ。それもそのはず、三宅さんの浮気癖に悩んでいた玲子さんは、スタッフたちには「娘が大学に入学したら別れる」とこぼしていたのです。そしてその数日後、玲子さんは本当に離婚届をテーブルの上に置き、子どもと一緒に家から姿を消していました。

おいしいごはんとシロさん×ケンジのほっこり幸せな生活が魅力のこのドラマにおいて、衝撃の展開……!とはいえ修羅場は訪れず、店長も自分を顧みて反省し、未練を断ち切って進むことを決意したようです。

そんな店長の前向きな姿勢が見えたところで、いよいよアロハテーブルで撮影されたシーンがやってきました。

「店長抜きで会いたい」とケンジ(内野聖陽さん)を呼び出した玲子さん。ケンジに迷惑をかけたことを詫び、自分で新しく始めたエステの名刺を渡します。そこには「三宅玲子」の名前が。離婚後、三宅姓で新しい戸籍を作ったこと。三宅店長のことを嫌いになったわけではないということ。そして浮気してばかりの店長のことを「嫌いじゃないけど……やっぱり許せない」「私ね、間違いを許せるようになるために別れるの」とほほえみます。その顔には、確かに未練も恨みも感じられませんでした。神妙な顔つきで話を聞いていたものの、玲子さんの様子にホッとするケンジ。頭の中では「シロさんをもっと大事にしなければ」という思いが募っていたことでしょう。

聞くほうも話すほうも重くなりがちな離婚話が笑顔で展開されたのは、光が差し込む明るい店内、そしてハワイを連想させるポップなインテリアのおかげかもしれません。

「アロハテーブル大崎」東京都品川区北品川5丁目5−15 大崎ブライトコア 1F
月~金11:30~15:00、17:00~22:00/土・日・祝11:00~22:00
※営業時間外の貸切りについてはお問い合わせをお願い致します

「ケンジと玲子さん」の席も店内にそのまま

大崎駅東口を出て、目黒川にかかる橋を渡って徒歩数分の場所にアロハテーブルはあります。オフィスビルやタワーマンションに囲まれた一角で、場所柄平日の日中はオフィスワーカーや近隣住民の訪問が多いのだとか。テラス席の数も多く、桜の季節には目黒川でお花見をした後に立ち寄る人もいるそうです。ガラス張りの窓からは柔らかい光が差し込み、ドラマで見た通り華やかな印象です。広々とした店舗はカーテンで仕切れるようになっていて、半貸切りなどにも対応しています。

撮影が行われたのは2023年の5月。ドラマの放送は秋だったので、かなり前に撮り溜めをしていたようです。ロケ地に選ばれた直接のきっかけは分かりませんが「スタッフの誰かが以前来店したことがあり、気に入ってくれたようです。道が広いので機材の搬入がしやすいこと、クルマからキャストの出入りもしやすいことも選ばれた理由の一つではないでしょうか」と同店の担当者は話します。

撮影は早朝6時からスタート。営業開始前の10時には完全撤収という状況でした。カフェやレストランでロケをする場合、テーブルなどを移動して撮影に適した配置にすることも多いのですが、しなロケ取材班が訪れてみると、ドラマの該当シーンとそっくりそのままのように見えました。聞けば、普段営業しているレイアウトのまま、撮影が行われたそう。しなロケ取材班も、ちゃっかりケンジと同じ席に座らせてもらうことができました。

アロハテーブル大崎内観
写真手前のテーブルが、ケンジと玲子さんが座っていた席

ドラマ内ではアドリブも多く、ユーモラスな印象の内野さん。ロケ現場でもケンジのような明るく賑やかなキャラクターなのでしょうか。アロハテーブルの担当者に聞いてみたところ、「カメラが回っていないところでは思っていたよりも真面目そうな人に映った」とのこと。撮影が始まると完全にスイッチが入ってケンジになりきっていたそう。さすがはベテラン俳優です。奥貫薫さんはテレビで見たままの柔らかな雰囲気だったそうで、待ち時間などは二人で穏やかに会話していたことを教えてくれました。

シンプルなのに飽きがこない「ロコモコ」と最後の一口までおいしいパンケーキ!

ドラマ内で玲子さんはコーヒー、ケンジはアイスティを飲んでいたように見えましたが、「aloha」の文字入りマグカップやグラスはアロハテーブルで使っているものを貸し出したとのこと。お茶をするシーンだったため、ドラマの中にはごはんやデザートは映っていませんでしたが、アロハテーブルはその名前から推測できる通り、ハワイ・ワイキキに本店を構える、ハワイアンメニューを提供するお店です。 そこで、しなロケ取材班がおすすめのメニューを聞いてきました。

ランチの人気メニューは、「プレミアム・ロコモコ」。ワイキキ本店のロコモコはハワイ州観光公認プログラムのロコモコ部門で3年連続1位を獲得して殿堂入りしているほどで、アロハテーブル自慢のメニューなのだそうです。どっしりとしたビーフパティとグレイビーソース、半熟の目玉焼きを合わせており、ビーフのコクとソースのほどよい酸味がくせになります。シンプルな構成なのに、飽きがこないのが不思議です。付け合わせにアボカドやチーズを乗せて、バリエーションを楽しむこともできます。キッズサイズがあるのも家族連れにうれしいところ。

デザートの人気メニューは「ビックアイランド・ビーハニー パンケーキ」。パンケーキに添えられているのはローストしたマカダミアナッツと合わせたバター、そして贅沢なほどのホイップバターです。アイスや生クリームとパンケーキの組み合わせだと、最初はおいしくても溶けて食感が変わってしまったり味がしつこく感じられるようになったり……なんて感じたことはありませんか? アロハテーブルのパンケーキは最後までしっとりふんわりのまま食べ切れるので、ついつい「もう一枚!」と言ってしまいたくなります。

メニュー名にもあるビックアイランド・ビーハニーは、ハワイ原産の希少なハチミツ。粘度が高いので「もっとトロトロのハチミツのほうが合わせやすいのでは?」と一瞬思ったものの、この濃厚さこそがパンケーキの味を引き立てるのだと、一口食べて気づきました。ぜひたっぷりとかけてハワイのエネルギーを味わってください。

「プレミアム・ロコモコ」と「ビックアイランド・ビーハニー パンケーキ」
「ビックアイランド・ビーハニー パンケーキ」(税込み1089円)と「プレミアム・ロコモコ」(税込み1265円)。
あまおうなど、季節のパンケーキの展開もあり。パティと目玉焼きが2倍になった「ワイキキスタイル プレミアム・ロコモコ」(税込み2090円)は食べ応えたっぷり。
「プレミアム・ロコモコ」(ナイフを入れた後)
トロリとこぼれる黄身が、食欲をそそります。

実は、玲子さんがケンジに離婚の裏事情を話すというシーンは、原作にはありません。原作ではケンジを含めた美容院のスタッフにチラリと離婚の意志を匂わせ、それを店長に気付かれないようにする、というコメディ要素をもって描かれていました。原作の玲子さんはドラマよりもっと思い切りよく、離婚届をおいて部屋を出た後、弁護士に任せたまま一度も登場していません。

三宅店長と玲子さんの関係性を理解し、さらにサバサバした玲子さんのキャラクターに愛着を覚えていた一読者として、玲子さんのこのフェードアウトは少々寂しくもありました。ですが、ドラマであえて玲子さんが本音を語るシーンを描くことで、読者も視聴者も、そしてケンジもしっかり彼女とお別れができたような気がします。

もしかすると、仕事の後に玲子さんがあのカフェでホッと一息ついているかも? そんな優しい気持ちにさせてくれる温かみのあるカフェに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

ライターK
女性誌やウェブで飲食店、話題のスポットを取材するライター。 会社員時代の職場が品川区にあり、品川に対する土地勘と思い入れがある。

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