TOP>コラム>[パート I ] 品川歴史館が推定!これがシン・ゴジラの足跡だ!「それは品川歴史館の破壊から始まった」
2018:06:27:16:40:43

[パート I ] 品川歴史館が推定!これがシン・ゴジラの足跡だ!「それは品川歴史館の破壊から始まった」

2018.06.27

COLUMN

share LINE

1954年の第一作でゴジラが初めて本土上に登場した場所は、品川区の八ツ山橋東詰あたり。現地には、「ゴジラ上陸地点」と書かれた地図も設置されています。それから62年後の2016年、歴史に残る大ヒット映画「シン・ゴジラ」でゴジラがこの街に帰ってきてくれました。
よく考えたら、八ッ山橋が“上陸”地点って変ですよね。当時は埋め立て中だったりして今より海が近かったかもしれませんが、それでも海から上がった一歩目がここだなんて、ゴジラ、どんだけ大股やねん!って関西弁でツッコミたくなります。
それに対して今回は、大田区の呑川を上り、蒲田で上陸したことが明らかになっていて、そのまま第一京浜あたりで品川区入りしたのかと想像しがちですが、よく見るとそうじゃない所も。

これは架空の街?それとも実在?
うーん、真実が知りたい。
どうしよう。
そうだ!あそこだ!!

品川歴史館に行く

ということで、品川歴史館に行ってみることにしました。ここなら品川のことは何でも分かるはず。ご対応いただいたのは野田さんでした。
「シン・ゴジラでゴジラが品川のどこを通ったか、野田さんなら詳しくご存じかと・・・」
「いえいえ、全然です」
「品川歴史館が分析するシン・ゴジラの足跡、みたいな記事を書いていただけませんか」
「私には無理です、そんな」

野田さん、極めて控えめ。しかし、野田さんは劇場でシン・ゴジラを観ているだけでなく、DVDも購入していることが会話の中で判明したため、実はゴジラが通ったルートぐらい既に解明済みだと読み、なにかあればご協力いただけるという約束だけ取り付けて、この日は引き上げることにしました。

1週間後、野田さんからメールが来ました。内容は、ゴジラが通った推定ルート&確定ルートが地図上に示されたものでした。さらに、各ポイントの画像も用意したがセキュリティの関係で大容量ファイル転送サイトが利用できないのでCDロムで郵送すると書いてあったため、取りに行きますので少しお話を聞かせてくださいと連絡をし、再び品川歴史館に出向くことにしました。でも、そこでは衝撃の事実が待っていたのでした。

衝撃! 歴史館、破壊!!

野田さんの口からまず出たのは、今回のゴジラが最初に品川区内で登場する場所が、なんと、品川歴史館の前だという一言でした。早速、一緒にDVDで確認すると、まだ第二形態のゴジラが“ハイハイ”に近い状態で池上通りを北上している様子が後方からの空撮で映し出されているシーンがありました。冒頭から16分40秒過ぎぐらいのこの画面と、グーグルマップの航空写真(or グーグルアース)を見比べると・・・見事に一致するではありませんか。鹿嶋神社の森も見える。最初のシーンって品川歴史館前だったんだ(地図 ①)。そして、“ハイハイ”風の右後ろ足で、品川歴史館が無惨にも破壊されている。まさに衝撃の事実を突きつけられたのでした。

JR線のどちら側を北上したのか?

ここで困ったことが。
第一京浜(地図 右側赤いライン)を北上したのかと思っていたのに、実際はかなり西の池上通り(地図 左側緑ライン)を行っていたのです。どう考えればいいのか。
「解明のヒントは二つあります」と野田さん。そして、その2点について詳しく解説してくれました。
1. ゴジラがいったん海に去った翌日に流れるさまざまなニュース音声のうち、「都内各路線は京急を除いて運転を再開」のくだり
2. 省庁横断で結成された「巨災対(巨大不明生物特設災害対策本部)」で文部科学省の安田課長(高橋一生)が示すPC画面上のゴジラ移動ルート
1.からは、JR京浜東北線と東海道本線がほぼ無傷だったことが想像できる。一方、2.の移動ルートをじっくり観察すれば、ゴジラが第一京浜を北上していることが判明する。
そうなると、蒲田(大田区)からずっと第一京浜を通ったことになりますが、野田さんは、こう熱く語るのです。
「第一京浜国道の北上が想定されますが、私の職場が破壊されている以上、品川歴史館が出てくる場面を無視するわけにはいきません」

これがシン・ゴジラの進行ルートだ

*以下、野田さんが考える「品川歴史館を起点とした進行ルート」をご紹介します。

img_photo_1806_04.jpg

品川歴史館前に現れたゴジラがどう進んだか。京浜東北線&東海道本線を傷つけることなくどう越えたかを考えれば、そのルートが読めてくるとのこと。踏切や高架橋くぐりではなく、しっかりした橋で渡る必要性があり、そうなると大井陸橋(地図 ②)を渡ったものと思われ、点線のように池上通り北上説が有力となるそうです。大井陸橋ならゴジラの重量に本当に耐えられるのか気になるところですが、残念ながら確認はできませんでした。というのも、「巨災対」が招集された冒頭で(32分6秒あたり~)「巨大不明生物に関する基本情報」というペーパーが配られ、そこには推定身長と推定全長は書かれていたものの、体重は不明となっていたからです。それにしても、これまたほんの一瞬の場面でしたが、野田さんは見逃しませんでした。
さて、無事にJRの線路を越えたゴジラは、いよいよ「初上陸地点」に接近していきますが、なんとそこには意外な事実や矛盾点などがあることが判明していきます。多くの人が見逃してしまうような、あれやこれや。野田さんの真相解明に向けての格闘は続きます。

(品川ウォーキングライター・キタロー)

コラムをもっと見る